穿刺トラブルを減らす取り組み
透析をするにあたり穿刺は避けては通れません。
穿刺は患者さんとスタッフの信頼関係を左右すると言っても過言ではない重要な手技であり、患者さんと穿刺者双方にとって大きなストレスと成りえます。シャント血管の状態は人によって全く違っており、日々の観察・シャントエコー検査・シャント造影等によりシャント全体を把握し、穿刺場所を決め針の選択・消毒薬の選択・針の刺入角度・深度・駆血を考え穿刺を行っています。
しかし<穿刺困難症例・再穿刺の多い症例・深い血管症例の方>も見えられます。
上記の方には2つの方法を適応とし対応しています。
『一つ目はエコー下穿刺』
簡単に短軸法について説明すると、エコーで血管に対して垂直にプローブを当てると下図①のように血管が輪切りになって見えます。
穿刺ミスの多くは血管に針が刺さらないわけですが血管に対して針が左右にズレて刺してしまうことが多いようです。
まず、目標血管をエコーでよく観察し皮膚刺入部位を決め、針先を進めていくと図②のように血管内に入った針先が確認できます。
以上簡単に説明しましたが、実際は経験と訓練が必要ですのでスタッフ一同、日々精進しています。
『2つ目はボタンホール穿刺です』
ボタンホールとは皮膚からシャント血管までのトンネルのことを言います。
上記は上が通常使用する針で先が尖がっており、下がボタンホール専用針で先が丸いのが見てとれます。
作成方法は、同じ箇所から通常穿刺を繰り返すことによってトンネルが出来ます。
トンネルが完成したら先端が丸いボールペンのような針で穿刺します。完全に痛みがなくなることはありませんが穿刺ミスがなくなり痛みも軽減されたと言われる方が多いです。