2023年9月 リハビリテーションたより
毎日コツコツ!円背(猫背)予防改善自主トレーニング
円背とは?
腰や背中が大きく曲がって丸くなり猫背になっている状態です。骨盤が後ろ向きに倒れ、頭は前のめりになります。視界を維持しようと顔を上に向けるので、多くの場合自然と顎を前方に突き出す姿勢をとります。
なぜ円背になるの?
年齢を重ねると、徐々に全身の筋力低下や関節が固くなり動きが制限されたりします。その結果、正しい姿勢を維持できなくなることで日常生活に悪影響が出るようになります。高齢者の円背の原因は、骨粗鬆症による脊柱の変形、脊椎圧迫骨折、体幹の筋力低下などがあります。骨の変形による円背は改善が難しいですが、筋力低下による円背は姿勢に気を付けたり運動したりすることによって予防や改善を図ることができます。
どんなリスクがあるの?
① バランス能力の低下
円背になると体幹上半身の重心が変化し、そのバランスを取るために頭部が前方へ突出する姿勢制御をすることが多くなります。この姿勢でバランスを取るためには、下半身にも常に緊張が入るようになってしまい転倒リスクも高まります。
② 呼吸が難しくなり、筋肉の働きが悪くなる
円背になると、胸や肋骨が丸くなった状態となり肺などの器官が圧迫された状態となるため酸素を十分に取り込めなくなり、呼吸困難が生じやすくなります。酸素は筋肉を動かすために必要不可欠なので、体内の酸素が少なくなれば筋肉の働きも悪くなってしまいます。
③ 圧迫骨折のリスク増大
円背になると背骨が前に倒れる状態となるため、背骨が丸くなり続けると重みに耐えきれなくなって、背骨が潰れてしまうことがあります。
④ 誤嚥(ごえん)リスクの増大
前傾姿勢では食べ物や唾液が器官に入りやすくなるため、高齢者に多くみられる誤嚥性肺炎を引き起こす恐れもあります。
自主トレーニングのすすめ
当デイケアでは円背の予防のために自主トレーニング用紙をお渡ししています。その方によって行えない運動もあるためこちらで選定してお勧めしています。みなさまの健康増進にもぜひお役立て下さい(^-^)
毎日こつこつハートフル体操猫背の予防・改善編
それぞれ3秒~5秒保持し、5回~行いましょう
① 首と肩をのばす
片手を頭にのせ、首を横に曲げます。
片方の手は下へ伸ばします。
② 首のつけ根をのばす
手を肩にのせ、天井を見上げます。
その後、下を見ます。
③ 胸をひらく
両肘をまげて、肩の高さまで上げます。
あごを引きながら、両肩を開き、肩甲骨を引き寄せます。
④ 背中の後ろをのばす
両手を組み、前に突き出します。
両方の肩甲骨を前に出し、顔を下に向けます。
注意点
その一 腰を反らせないこと
その二 痛みが出ない範囲で行い、ゆっくり動かしましょう
その三 お腹に力を入れて行うこと