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ホーム > 天野記念クリニック > 糖尿病の基礎知識 > 糖尿病大血管症

糖尿病大血管症

糖尿病大血管症①

大血管症とは脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、閉塞性動脈硬化症、腹部大動脈瘤等、文字通り太い血管が詰まったり、破れたりすることから起こる疾患のことで、糖尿病の患者は実によく起こします。糖尿病は大血管症の危険因子のひとつとなっており、他に高血圧、高脂血症、肥満、喫煙が危険因子です。危険因子が複数存在するにつれ大血管症の危険は増します。そしてこれらの危険因子を包括的にコントロールすることが大血管症の予防に重要です。

 

糖尿病大血管症②

日本人の冠動脈疾患の発症率は欧米の約5分の1程度とされてきましたが、日本人の糖尿病患者における冠動脈疾患の発症率は欧米の約2分の1まで増加しています。糖尿病は大血管症の重要な危険因子のひとつで、糖尿病患者では非糖尿病患者に比べて冠動脈疾患の頻度は2~4倍に上昇します。糖尿病だけではなく、境界型の患者でも発症リスクは増大し、特に食後の血糖が高い患者はリスクが高くなるといわれています。冠動脈疾患発症のリスクは女性は男性の2分の1といわれていますが、糖尿病があるとその差は減少します。

糖尿病大血管症③

糖尿病に高血圧が合併すると大血管症の発症頻度は増加します。厳しい血圧コントロールは糖尿病大血管症の発症リスクを軽減させます。脂質に関しては、まず悪玉であるLDLコレステロールを目標値までコントロールします。LDLコレステロールの厳格なコントロールは、大血管症の予防に有効です。肥満がある場合は、これを是正することによって、高血糖、高血圧、脂質異常などの危険因子を軽減できます。低用量アスピリン(血液をサラサラにする薬)は大血管症の予防に有効です。